サヨナラの誕生日祝い

わたしがまだ独身だった頃の出来事なので、随分と昔話になりますが、それまで付き合っていた彼と別れることになりました。別れる理由はわたしのワガママです。わたしが、もう彼とは一緒にいたくなくなったからです。

 

くしくもその日はわたしの誕生日でした。彼から最後にもう一度だけ会ってくれと言われ、誕生日にサヨナラすることになったのです。

 

その日、わたしの勤めていた会社まで彼は車でやって来ました。わたしが車のドアを開けると、わたしの目に飛び込んで来たのは、後部座席いっぱいの花束でした。
彼は笑顔で「誕生日おめでとう。最後のプレゼントは形の残らないものがいいと思って」と言ったのです。彼の粋な計らいに、わたしは涙が込み上げて来ました。
こんなワガママなわたしのために。しかも、ピンクのスイトピーやチューリップ、真っ白なカスミソウなど、わたしの好みを熟知している彼ならでは花束でした。

 

もちろん、引き返す気はないのでその日でお別れしましたが、花束と聞くとなぜか今でも彼を思い出します。

サヨナラの誕生日祝い関連ページ

義母の誕生日
還暦のお祝いに
日ごろの御礼を込めて